『世界の超富裕層がしている「最初の1億円」の作り方』書評|面白いけど再現性は人を選ぶ

献本いただいた『世界の超富裕層がしている「最初の1億円」の作り方』を読みました。

タイトルだけ見ると、かなり刺激強めです。

「世界の超富裕層」
「最初の1億円」
「作り方」

ただ、実際に読んでみると、単純に「この投資を買えば儲かります」とか、「誰でもすぐ億れます」というタイプの本ではありませんでした。

本書の中心にあるのは、資産形成を「5段ギア」で考えるという考え方です。

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本書のテーマは「最初の1億円」よりも、人生のギアを上げること

本書では、資産形成のステージを大きく5つのギアに分けて解説しています。

  • 1速:会社の外で最初の1円を稼ぐ
  • 2速:自分の経験や知識を価値に変える
  • 3速:仕組み化して、自分の時間を作る
  • 4速:GIVEによって信用や人脈を積み上げる
  • 5速:資本家として、お金をどう守り、どう使うかを考える

この考え方自体は、かなり面白いと思いました。

よくある資産形成本だと、「節約しましょう」「NISAを使いましょう」「インデックス投資をしましょう」という話が中心になります。

もちろん、それはそれで非常に大事です。

私自身も、NISAやインデックス投資は、多くの人にとって資産形成の土台になると思っています。

ただ、この本はそこからもう一歩進んで、

「給料とNISAだけに頼るのではなく、自分自身の稼ぐ力や、価値を生み出す力をどう高めるか」

という視点で書かれています。

ここは、単なる投資本というより、副業、事業、自己投資、人生設計の本に近い印象でした。

印象に残った点①:会社の外で「最初の1円」を稼ぐこと

特に印象に残ったのは、「会社の外で最初の1円を稼ぐこと」の重要性です。

投資というと、どうしても「どの株を買うか」「どの投信を積み立てるか」という話になりがちです。

もちろん、それも大切です。

ただ、それとは別に、自分の力で価値を生み出し、会社の給料以外で1円を受け取る経験には、たしかに大きな意味があります。

金額の問題ではありません。

「自分でもお金を生み出せるんだ」

という感覚を持てるかどうか。

これは、副業でも、メルカリでも、noteでも、ブログでも、動画編集でも、何でもいいと思います。

最初の1円を稼ぐと、世の中の見え方が少し変わります。

自分の知識や経験も、誰かにとっては価値になるかもしれない。

会社の給料だけが収入源ではないかもしれない。

そう思えるようになるだけでも、かなり大きな変化です。

この部分は、かなり本質的だと感じました。

印象に残った点②:稼げるようになった人ほど、時間貧乏になる

もう一つ面白かったのは、「稼げるようになった人ほど、今度は時間貧乏になる」という話です。

副業や事業で成果が出始めると、収入は増えるかもしれません。

でも、全部を自分でやっていると、結局、自分が止まった瞬間に収入も止まります。

これは会社員とは別の形の労働です。

会社員として忙しいのも大変ですが、個人事業で忙しすぎるのも、また別の大変さがあります。

本書では、そこから抜け出すために、外注化、マニュアル化、AI活用、チーム作り、不動産のキャッシュフローなど、「仕組み化」の重要性が語られています。

ここもかなり現実的な話でした。

私自身もYouTubeをやっているので、この部分はよく分かります。

最初は自分で全部やるしかありません。

企画、リサーチ、台本、収録、編集、サムネ、タイトル、説明欄、コメント対応。

全部自分でやるからこそ、伸びる部分もあります。

ただ、ある程度続けていくと、どこかで「自分にしかできない仕事」と「人に任せられる仕事」を分けないと、成長が止まります。

収入を増やすことと、自由な時間を増やすことは、似ているようで別物です。

この視点は、投資だけでなく、副業や個人事業にもかなり応用できると思いました。

一方で攻めた内容も

一方で、かなり攻めた内容も多いと思います。

本書では、不動産投資、融資、親族からの資金調達、高額コミュニティ、人脈、スモールM&A、エンジェル投資、ゴールド、ビットコイン、ステーブルコインなど、かなり幅広いテーマが扱われています。

著者の実体験としては、たしかに面白いです。

ただし、普通の会社員がそのまま真似できるかというと、かなり人を選ぶと思います。

不動産投資は「不労所得」ではなく事業

本書の中で大きな比重を占めているのが、不動産投資です。

不動産は、うまくいけば強力な資産形成手段になります。

家賃収入がありますし、融資を使えば自己資金以上の規模で投資することもできます。

一方で、空室、修繕、金利上昇、融資の詰まり、売却できないリスクなどもあります。

本書の中でも、不動産は「不労所得」ではなく「事業」だと書かれています。

ここは本当にその通りだと思います。

不動産投資は、寝ているだけでお金が入る魔法ではありません。

物件選び、融資、管理会社、税務、出口戦略まで含めた事業です。

興味を持つのはいいと思いますが、安易に真似できるものではないと感じました。

親族ファイナンスや高額コミュニティは、慎重に考えたい

また、親族から資金を出してもらう話や、高額サービスに参加して人脈を作る話も出てきます。

これも、考え方としては分かります。

自分より上のステージにいる人の時間に、きちんと対価を払う。

良い環境に入るためにお金を使う。

これは、自己投資として意味がある場合もあります。

ただし、ここもかなり慎重に見た方がいいと思います。

親族からお金を出してもらう場合は、失敗した時にお金だけでなく人間関係まで壊れる可能性があります。

高額講座、高額コミュニティ、高額コンサルも、本当に玉石混交です。

「成功者に近づける」

「人脈ができる」

「この環境に入れば人生が変わる」

こういう言葉は魅力的ですが、同時に危うさもあります。

大事なのは、誰が運営しているのか、何を学べるのか、参加者の質はどうか、そして自分はそこで何をGIVEできるのか。

ここを見ずに、ただ高いお金を払えば成功に近づくと考えるのは危険だと思います。

この本は「投資手法を真似する本」ではなく「考え方を拾う本」

なので、この本は「書いてあることをそのまま実践する本」というより、資産形成を一段広い視点で考えるための本として読むのが良いと思いました。

個人的に、この本から拾うべきポイントは、具体的な投資手法そのものよりも、次のような考え方です。

  • 給料だけに依存しないこと
  • 会社の外で1円を稼ぐ経験を持つこと
  • 自分の経験や知識も、誰かにとっては価値になると知ること
  • 稼げるようになったら、次は自分が動かなくても回る仕組みを考えること
  • 人脈とは名刺交換ではなく、信用の積み重ねだと理解すること
  • お金は最終的には「自分がどう生きたいか」「誰を応援したいか」に使うものだと考えること

このあたりは、かなり良いテーマだと思います。

一方で、不動産投資、融資、親族ファイナンス、高額コミュニティ、ビットコインなどの話は、かなり慎重に考えた方がいいと思います。

面白いけど、鵜呑みにせず、自分に必要な部分だけ拾う本

一言でまとめるなら、この本は「最初の1億円を作る裏技本」ではなく、

「給料とNISAだけで終わらず、自分の人生を自分で経営するための考え方を学ぶ本」

だと感じました。

かなり攻めた主張も多いので、鵜呑みにする本ではありません。

ただ、自分の現状を見直すきっかけにはなります。

  • 今の自分は、給料だけに依存していないか
  • 会社の外で1円を稼いだ経験はあるか
  • 自分の知識や経験を、誰かの役に立てられているか
  • 収入は増えても、時間貧乏になっていないか
  • 誰かにGIVEできるものを持っているか
  • お金を増やした先に、何をしたいのか

私の率直な感想は、刺激は受けるが、再現性は人を選ぶということですね。