今回は新刊『1年後に資産が倍増 メガ・グロース投資』を読んでみました。
「1年で2倍」という刺激的なタイトルに惹かれつつ、、、普段はバリュー重視の私なので、グロース投資からも何か活かせるヒントがないかという思いでした。
メガ・グロース投資の核は「業績」と「トレンド」
本書が最も重視しているのは、次の2つです。
- 業績:毎期10%以上の増収・増益(理想は20%以上)を続ける成長企業を狙う
- トレンド:時代の追い風(AI、金融、防衛など)に乗る市場・セクターを見極める
株価は業績だけでなく、「期待」や「物語(ストーリー)」で大きく伸びる局面がある。業績が良くてもテーマが弱ければ跳ねにくい一方で、業績の強さにトレンドが掛かると“業績以上”の上昇が起こり得る、という考え方です。
「6STEP」でわかる銘柄選定の極意
本書の良さは、銘柄選定が“手順”として提示されているところです。
大枠は以下の流れになっています。
- STEP0:投資するストーリーを立てる(なぜ買うのかを言語化)
- STEP1:投資する市場・セクターを絞る(トレンド把握)
- STEP2:連続増収・連続増益の成長株を見極める
- STEP3:株価騰落率を市場平均と比較(相対的に強い銘柄を狙う)
- STEP4:候補銘柄をピックアップしてリスト化
- STEP5:「3期先」までPERを算定し、将来割安を探す
- STEP6:RSIで過熱感をチェックする
最初に「ストーリー」を置いている点が面白いですね。
「数字が良いから買う」ではなく、なぜその銘柄が伸びるのかを説明できるようにしてから選ぶ。この順序は、長期投資とは相性が良いと感じます。
グロース本なのに、バリュー投資の要素も感じた理由
個人的に刺さったは、STEP5の「3期先PER」 です。
タイトルからは「グロース投資一本」という印象を受けがちですが、将来の利益水準を前提にして割安度を考えるのは、どこか バリュー投資的 でもあります。
「今のPER」で判断するのではなく、
成長が進んだ先の利益に対して、今の株価が高いか安いかを見る。これは、PEG(成長率を加味した割安判断)にも近い発想だと思いました。
僕がバリュー投資で重視するのも、突き詰めれば
“将来の利益(キャッシュフロー)に対して安いかどうか”。
その意味で、将来PERを考慮するという考え方は、グロースとバリューの間をうまく橋渡ししているように感じました。
バフェットも、バリューやグロースなどないという考え方です。
さらにバフェットは、多くのプロが「成長株投資」と「バリュー投資」を区別するという間違いを犯しているとも言っている。成長と価値は別のものではない。成長は価値を構成する一部であり、両者は関連付けて考えるべきなのである。(『バフェットからの手紙【第8版】』より)
注意点:「1年で2倍」を狙うほど、ルールが重要になる
とはいえ、タイトルが象徴するように「上振れ」を狙う投資は、当然ながら難易度も上がります。再現性を高めるなら、次のような点はセットで意識したいところです。
- トレンドの終わり際に飛び乗らない(高値掴み回避)
- 成長鈍化が見えたときの撤退ルール
- 集中投資に耐えるメンタル設計(下落局面の想定)
つまり、「どの銘柄を買うか」以上に、「どういう条件で買い、どういう条件で降りるか」 が重要になる、ということです。その点は、本書では「長期投資」という方針になっていますが、果たして特定の成長分野で特定の個別株を選んで、長期投資が報われるか、というと、ケースバイケースだと感じました。

