かぶ1000貯金40万円が株式投資で4億円に!かぶ1000氏の成功法則とバリュー投資の極意かぶ1000

「貯金40万円が株式投資で4億円になりました」──このインパクトあるタイトルの書籍は、著者・かぶ1000氏が20年以上にわたって実践してきた”バリュー投資”のエッセンスを凝縮した一冊です。

今回は、バリュー投資の基礎から、実践的な分析手法まで、初心者でも理解できるよう丁寧に解説されている本書の魅力をご紹介します。

バリュー投資とは?

株式投資には大きく分けて「成長株投資(グロース投資)」と「バリュー投資」の2つがあります。成長株投資は、将来大きく成長する可能性のある企業に投資し、大きな利益を狙うスタイルです。派手で夢のある投資法ですが、その分リスクや難易度も高くなります。

一方、バリュー投資は企業の本質的価値に着目し、現在の株価がその価値に対して割安かどうかを見極める手法です。

堅実で再現性の高いスタイルであり、年利20%を目指すような着実な資産形成が可能です。実際にかぶ1000氏は、20年以上かけて4億円の資産を築きました。

中学2年生で株デビュー!かぶ1000氏の投資歴

かぶ1000氏は、なんと中学2年生で株式投資を始めたという異色の経歴の持ち主です。当時、祖父からのアドバイスで個別株に挑戦し、独学で投資スキルを磨いていきました。高校卒業後は就職せず、専業投資家として社会に出るという道を選びました。

その後、数々の経済危機や相場変動を乗り越え、2001年から本格的にバリュー投資へシフト。

600万円からスタートし、わずか4年で資産を5倍の3,000万円に、その5年後には1億円、さらに3億、4億と資産を増やしていきます。

バリュー投資について

ベンジャミン・グレアムの影響

かぶ1000氏が影響を受けたのは、バリュー投資の父・ベンジャミン・グレアムの著書です。

グレアムは、この本で大きく2つのことを述べています。

1つ目は、債券の利回りと比較して、株のリターンがいかに高いかということ。長期的な資産形成を図りたいなら、株式投資がいちばんだという点です。

2つ目は、株式で長期的な資産形成をしたいなら、バリュー株投資がもっともパフォーマンスが良く賢明な方法であるということ。そして画期的だったのは、以上の2つの点を豊富なデータから理路整然と分析していたことです。

バリュー投資の2つの視点:資産バリューと収益バリュー

バリュー投資には「資産バリュー投資」と「収益バリュー投資」という2つのアプローチがあります。

  • 資産バリュー投資:企業が保有する現金や不動産、有価証券などの資産に注目します。実在する資産を基準に評価するため、比較的安定した判断が可能です。
  • 収益バリュー投資:企業の稼ぐ力、すなわち将来の収益性を評価基準とします。ただし業績には波があり、環境変化によって変動しやすい面があります。

かぶ1000氏は、特に資産バリュー投資を得意としており、帳簿に隠れた資産価値を発掘する分析に長けています。

ファンダメンタル分析のポイント:見るべき3つの資産

資産バリュー投資では、企業の財務諸表を読み解く力が不可欠です。中でも重視すべき資産は以下の3つです。

  1. 現金および預金:総負債より多ければ、外部リスクにも強く、財務的に健全な企業といえます。
  2. 有価証券(特に上場株式):保有株の価値が自社の時価総額を上回っていれば、明らかな割安株です。
  3. 不動産(土地・建物):古くからの資産には簿価と実勢価格に乖離があり、含み益のある物件は魅力的な投資対象となります。

実例紹介:昭栄薬品のケーススタディ

書籍内で紹介された事例として、昭栄薬品という企業があります。同社は時価総額33億円に対して、花王の株を69万株保有、さらに現金預金が9.5億円。これらを合計した純資産は67億円と、時価総額の2倍以上。

このように明らかに割安と判断できる企業に投資するのが、資産バリュー投資の醍醐味です。

割安度を測るグレアム指数とその活用法

バリュー投資では「グレアム指数(PER × PBR)」を用いて割安度を測定します。一般的には22.5未満が割安とされますが、かぶ1000氏はより厳しく「5.0未満」を基準としています。

かなりの厳しさですね!

この数値を使ってスクリーニングを行うことで、本当に割安な銘柄だけを抽出することができ、より精度の高い投資判断が可能になります。

足で稼ぐ情報収集:プロ並みの徹底調査術

かぶ1000氏は数字の分析だけでなく、実際に企業の商品を体験したり、現地の土地を確認したりと、足で稼ぐ情報収集も徹底しています。

IR担当者への電話取材や株主総会への参加など、個人投資家でも実行可能なアクションを多数紹介。

これらを実践することで、ネットや四季報だけでは得られない情報をカバーし、より正確な企業評価ができるようになるとのことです。

投資先の管理は少数精鋭が原則

バリュー投資では、銘柄数を絞ることも重要です。かぶ1000氏は「10銘柄持てば十分」と語り、それ以上増やすと情報のメンテナンスが困難になると指摘しています。

少数精鋭のポートフォリオで一つ一つを深く分析し、より良い銘柄に入れ替える戦略は、安定的な資産形成において非常に有効な手法です。

資産バリュー投資を体系的に学べる

かぶ1000氏の書籍は、バリュー投資における理論と実践を体系的に学べる入門書として非常に優れています。特に数字の分析や企業価値の評価に興味がある人にとっては、最適な一冊といえるでしょう。

華やかなテンバガー(10倍株)を狙う投資ではなく、堅実に資産を積み上げたい方におすすめです。投資初心者でも理解できるよう丁寧に書かれており、長期的な視点で資産形成を考える人にはぜひ手に取ってほしい良書です。