高配当株投資で最も難しいことは何でしょうか。
銘柄選びでしょうか。
それとも買うタイミングでしょうか。
もちろんそれらも重要ですが、多くの投資家が途中で挫折してしまう最大の理由は、「握り続けること」ではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、高配当株投資家として人気の配当太郎さんによる3冊目の著書、
『仕事をやめるまでに年間120万円の配当金を手に入れる 最強の株式投資』
です。
本書では、
- ゴリラ握力という考え方
- 「含み損は筋肉痛」という印象的な名言
- KDDIを待機資金として活用する発想
- 厳選21銘柄
など、配当株を長期保有するための考え方が数多く紹介されています。
この記事では、特に印象に残ったポイントを解説します。
シリーズ3冊目は「メンタル」を鍛える本
シリーズを振り返ると、それぞれ役割が異なります。
1冊目
増配株投資の入門編。
年間100万円の配当金を目指すための基本的な考え方を学べます。
2冊目
より実践的な内容。
シミュレーションや資産形成の考え方などが充実しています。
3冊目(本書)
今回のテーマは、
「握り続けるためのメンタル」
です。
理屈を知っていても、10年、15年と保有し続けることは簡単ではありません。
そのための心理面を補強してくれる一冊という印象でした。
配当金を増やす3つのエンジン
本書で繰り返し登場する考え方がこちらです。
- 企業による増配
- 配当金の再投資
- 自己資金による追加投資
この3つを回し続けることで、配当金は雪だるま式に増えていくという考え方です。
シリーズを通して一貫しており、著者の投資哲学そのものと言えるでしょう。
「ゴリラ握力」が最強の武器
著者は、
買った株を何があっても握り続ける力
を「ゴリラ握力」と呼んでいます。
その握力を支える考え方として、特に印象的だったものを紹介します。
① 含み損は筋肉痛
本書で最も印象に残った言葉です。
しっかり利益を出している企業であれば、一時的な株価下落は、
企業がさらに強くなるための筋肉痛
と考えることができます。
筋トレの翌日に筋肉痛になるように、成長には痛みが伴うという考え方です。
もちろん業績が悪化している企業には当てはまりませんが、優良企業への長期投資では非常に心強い考え方だと感じました。
② 最大資産額は7割で考える
資産額が過去最高を更新すると嬉しくなります。
しかし、その数字は株価次第で簡単に変動します。
そこで著者は、
「資産は評価額の7割くらいで見積もっておく」
という考え方を提案しています。
最初から余裕を持って考えておけば、一時的な下落にも動じにくくなります。
③ 株価は「値札」にすぎない
株価は毎日動きます。
だからこそ、
- 上がって喜ぶもの
- 下がって悲しむもの
ではなく、
「買える価格かどうかを判断するための値札」
として考えるべきだと著者は述べています。
この考え方は非常にシンプルですが、長期投資には欠かせない視点だと思いました。
④ 安値覚えの罠を避ける
「昔はもっと安かったのに…」
そう思って買えなくなった経験はありませんか?
本書では、
まず少額でも買って”足跡を残す”
ことを勧めています。
その後は、自分が買った価格を基準に判断することで、投資判断がしやすくなるという考え方です。
⑤ 配当金を生活に置き換える
配当金を、
- 水道代
- 電気代
- 通信費
など生活費に置き換えて考えることで、
配当株を売る心理的ハードルが高くなる
という考え方も紹介されています。
「金のなる木」を育てる感覚に近いのかもしれません。
金利上昇局面は配当株にも追い風
現在のような金利上昇局面では、
- メガバンク
- 保険会社
など、金利上昇で利益が増える企業に注目しています。
利益が増えれば増配にも期待できます。
実際、本書の厳選21銘柄でも金融株の比率が高くなっていました。
KDDIを待機資金として使う発想が面白い
本書で最もユニークだったのが、
KDDIを待機資金代わりに保有する
という考え方です。
通常は現金で持っておく資金を、
安定した高配当株であるKDDIに置き換えておく。
そして相場が急落したら、一部を売却して他の銘柄へ投資する。
待っている間も配当金を受け取れるため、現金より効率的という発想です。
成長株投資でMicrosoftを待機資金代わりに使うという考え方にも似ており、非常に興味深い内容でした。
本書で紹介されている厳選21銘柄
本書では、日本を代表する大型優良株21銘柄が紹介されています。
例えば、
- INPEX
- 大和ハウス工業
- 積水ハウス
- JT
- ヒューリック
- ブリヂストン
- デンソー
- トヨタ自動車
- 伊藤忠商事
- 三菱商事
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- オリックス
- 三菱HCキャピタル
- 第一生命
- 東京海上
- NTT
- KDDI
などが掲載されています。
第5章では、それぞれの銘柄について着眼点まで詳しく解説されています。
まとめ
本書は、高配当株投資の「理屈」を学ぶ本というより、
実際に長期間保有し続けるためのメンタルを鍛える本
という印象でした。
特に印象に残ったポイントは、
- ゴリラ握力という考え方
- 含み損は筋肉痛
- 資産は7割で考える
- 株価は値札にすぎない
- KDDIを待機資金として活用する発想
などです。
高配当株投資を始めたい方はもちろん、すでに投資をしているものの株価の上下で不安になってしまう方にも参考になる一冊でした。

