本書 『本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて』は、労働者階級でいることに限界を感じ、起業したいと考えている人におすすめしたい1冊です。実際にゼロから億万長者になった著者自らが書いた本です。
著者について
フィリップ・デニスは、イギリスの大手出版社、デニス・パブリッシングの創業者です。今でこそ億万長者になった彼が、ホームレスのような生活をしていた時代からどのような経緯で富豪になったのかがわかります。
彼は単純に物を書くのが好きであり、自身の信じることを伝えたいという純粋な欲求から本書を書いたと思われます。私自身も本を書いているので印税額のイメージはある程度想像できますが、印税で得られる程度の金額が、大手出版社の創業者である彼が欲しいことが理由だとは思えません。
金持ちになる人とは
金持ちには自信家が多い。
金持ちになるのは・・・(中略)・・・「ほかのすべてをふり捨て、なにがなんでも金持ちになろうと腹をすえた人」である。
「自己中心的」働き方のすすめ
いくつか印象に残ったフレーズを挙げてみました。
徹底して本書のタイトルに忠実で、「いかに金持ちになるか」にフォーカスしています。例えば、「団結」とは、「金持ちになるかどうか」という観点においては“負け組のもの”、”足を引っ張る重し”などと表現します。
むしろ、自分が雇用主となった際に、労働者たちを縛りつけるためのうまい方策といった表現をしています。
このように本書は「使われる側」ではなく、「使う側」の人間としての処世術も散りばめられています。
最初の一歩が難しい
富に至る道は、最初の一歩目が難しい。その理由は年齢により3つの理由に分けられると言います。
①若くてあまり資金のない人
経験がないから給料奴隷としてあくせく働くしかない。特に資金の問題が大きいのもこの世代だ。
このような人たちは、「失うものがないこと」、「不可能だ、という常識を知らないこと」、「段違いのスタミナ」、「学ぼうとする姿勢」などが強みとなります。
この本が一番役に立つのは、この世代だと言います。
②中堅で将来にも希望が持てる人
この世代は、今までの成果を失いたくない人たちです。私自身、①と、この②の中間のような世代だと思います。
ある程度の知識や経験、実績があり、組織内での居心地の良さを感じている人も少なくないでしょう。
私の場合は、将来の希望が見えるかというと、あまりそれが見えないため、独立への心理的障害は小さいですね。もっと、将来稼げる出世コースが見えていたり、福利厚生が充実している大企業の人などは、それが独立への心理的障害になるのでしょうね。
これは「恐怖心」ということになるのでしょう。その恐怖を、行動に活かすのが重要です。
おそれは、行動に移すことで向き合おう。そうすれば、いずれ、手なづけて乗りこなすことができる。
恐怖心をむしろ活かすしかないのですね。
行動することでしか、自信をつけることも、実際に安心できるような成果を残すこともできない。
恐怖心を感じるのなら、手を動かそうということですね。
③役員や専門家
すでに成功しており、まだハングリー精神を持っている人は尊敬に値しますね。
しかし、できない理由を他人のせいにしてしまうことがあるかもしれません。家族を守るため、子供のため、など。
責任感が強いことの表れでもあるのかもしれません。しかし、結局はそれは言い訳です。
衣食住がまかなえるだけの金があれば、両親が金持ちでも貧乏でも、子どもは気にしない。彼らが気にするのは、無条件に愛されているかどうかだ。
子どもや家族を、金持ちになれない理由に使ってはいけない。
それは暗に「俺たちが貧乏なのは、お前たちのせいだ。」と言っているようなものです。
結局、金持ちになるかどうかに、「自分」以外のことは一切関係がないのです。