株を売買して利益を狙うだけが、資産形成ではありません。
優良企業の株を長く持ち続けることで、毎年配当金を受け取りながら資産を増やしていく「配当株投資」も、多くの投資家から支持されています。
今回ご紹介するのは、配当投資家として人気の配当太郎さんによるデビュー作、
『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』
です。本書では、
- 年間100万円の配当金を目指す3ステップ
- 配当金を加速させる3つのエンジン
- 増配株投資の考え方
- 新NISAと配当株投資の相性
など、初心者にも分かりやすく解説されています。
この記事では、特に印象に残ったポイントをご紹介します。
配当投資家に共通する「増配株」という考え方
本書を読んで最も印象的だったのは、「高配当株」ではなく増配株を重視している点です。
一見すると配当利回りが高い銘柄に目が行きがちですが、高配当には株価下落など一時的な要因で利回りだけが高く見えているケースもあります。
そのため著者は、
配当利回りだけでなく、配当が毎年成長している企業を選ぶことが重要
だと述べています。
例えば、配当利回り2%の企業でも、毎年10%ずつ配当金が増え続ければ、およそ7年後には受取配当は約2倍になります。
さらに、増配を続ける企業は株価の上昇も期待できるため、
- 配当金
- 株価上昇
という二つの恩恵を受けられる可能性があります。
著者はこれを「配当だるま」と表現し、雪だるまのように資産が大きくなっていくイメージを紹介しています。
配当投資でおすすめなのは昔ながらの大型企業
本書で紹介されている業界を見ると、
- 銀行
- 保険
- 商社
- 通信
- 金融
など、日本を代表する大型企業が中心です。
派手な成長株ではありませんが、長年にわたり利益を積み重ね、配当を増やしてきた企業だからこそ安心して長期保有できます。
また、著者はポートフォリオの土台として大型株を据え、その上に中小型株や成長株を組み合わせる考え方を紹介しています。
初心者ほど、まずは誰もが知っている優良企業から始めるのがおすすめという考え方です。
日本株の配当投資はまだ伸びしろがある
近年、日本企業は株主還元を強化する動きが続いています。
以前に比べて、
- 増配
- 自社株買い
を積極的に行う企業も増えてきました。
米国では株主還元の文化がすでに成熟していますが、日本はまだ改善の余地があるという見方もできます。
また、日本株であれば日本語で情報収集しやすいことも大きなメリットです。
新NISAと配当株投資は相性抜群
本書でも、新NISAを積極的に活用することが勧められています。
配当株投資の弱点の一つは、
受け取った配当金に税金がかかるため、再投資の効率が下がること
でした。
しかし、新NISAでは配当金も非課税で受け取れるため、このデメリットが大きく改善されます。
配当金を生活費に使うこともできますし、再投資して資産形成を加速させることもできます。
制度との相性は非常に良いと感じました。
新NISAで狙いたいのは「成長期から成熟期」の企業
本書で面白いと感じたのが、
企業が成長期から成熟期へ移り、配当を出し始めるタイミング
を狙うという考え方です。
このタイミングで投資できれば、
- 今後の増配
- 株価上昇
の両方を期待できます。
将来的には、購入時の株価に対して配当利回りが大きく伸びる可能性もあります。
年間100万円の配当金までの3ステップ
本書では、年間100万円の配当金を目指す道筋が3段階で紹介されています。
ステップ1:年間3万円
まずは年間3万円の配当金を目指します。
目安としては100万円程度の投資資金です。
数万円でも実際に配当金を受け取ると、投資を続けるモチベーションにつながります。
ステップ2:年間12万円
次の目標は毎月1万円、年間12万円の配当金です。
投資額としては300〜400万円程度が目安になります。
ここまで到達するには数年から10年程度かかるケースもありますが、焦らず継続することが大切です。
ステップ3:年間100万円
最終目標は年間100万円の配当金です。
目安となる投資元本は約3,000万円。
決して簡単ではありませんが、資産が増えるほど配当金も増え、さらに再投資によって加速していきます。
配当金を増やす3つのエンジン
著者は配当金を増やすために欠かせない要素として、次の3つを挙げています。
- 企業の増配
- 配当金の再投資
- 自己資金による追加投資
この3つが同時に回り始めることで、資産形成のスピードが一気に加速します。
特に最初の1,000万円までは時間がかかりますが、そこを超えると資産が増えるスピードも変わってきます。
本書で紹介されている注目銘柄
本書では、初心者でも検討しやすい大型株が多数紹介されています。
例えば、
- 三菱商事
- KDDI
- トヨタ自動車
- JT
- オリックス
- キヤノン
- 東京海上ホールディングス
など、日本を代表する企業が中心です。
それぞれの企業について、おすすめする理由や着眼点も詳しく解説されています。
まとめ
本書は、高配当株投資というよりも、
「増配株を長く持ち続ける資産形成術」
を学べる一冊でした。
特に印象に残ったポイントは、
- 高配当より増配株を重視する
- ポートフォリオは大型株を土台にする
- 新NISAとの相性が非常に良い
- 年間100万円までの具体的なロードマップ
- 配当金を加速させる3つのエンジン
という5点です。
これから新NISAを活用して資産形成を始めたい方や、配当株投資に興味がある方にとって、最初の一冊としておすすめできる内容でした。


