高配当株投資が人気を集める中で、より夢のある投資法として「増配株投資」が注目されています。
本記事では、『新NISAで始める 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(著:配当太郎)の内容をもとに、増配株投資の魅力やシミュレーションを詳しく解説します。
増配株投資と高配当株投資の違いとは?
高配当株投資は、配当利回りの高い株を買い、安定的な配当収入を得る方法です。
一方、増配株投資では、毎年配当金を増やし続けている企業に投資し、将来的な配当の伸びに期待します。
たとえば、初年度の配当利回りが3%でも、年平均10%の増配率で7年間運用すれば、配当金は2倍になります。
配当金の年間成長率 | 2倍になる年数 |
---|---|
1% | 72年 |
2% | 36年 |
3% | 24年 |
4% | 18年 |
5% | 14.4年 |
7% | 10.3年 |
10% | 7.2年 |
15% | 4.8年 |
これは「72の法則」に基づいた考え方で、72を年利率で割ると資産が2倍になる年数が分かる計算式です。
年間240万円の配当金を得るにはいくら必要?
配当利回り3~4%の高配当株では、年間240万円の配当を得るために必要な資産は6,000万~8,000万円になります。
しかし、年平均10%の増配率を持つ株を7年間保有し続けることで、配当利回りは6~8%に上昇します。これにより、必要資産は3,000万~4,000万円まで削減可能です。
さらに、配当金を再投資することで、より少ない元手で同じ配当額を達成することも可能になります。
著者がシミュレーションしたケースでは、初期投資額1,430万円で再投資を10年間継続することで、年間240万円の配当を実現できる可能性が示されています。
注目の増配銘柄とその実績
以下は、日本を代表する増配株の事例です(2024年5月時点)。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ:過去10年の年平均増配率は8%。直近の配当利回りは約3.14%
- 三菱HCキャピタル:年平均増配率は16%。配当利回りは約3.9%。10年間で配当が4.6倍に成長。
- ヤマハ発動機:年平均増配率15.4%。配当利回り約3.33%
- NTT(日本電信電話):年平均増配率12.2%。配当利回り約3.33%
これらの銘柄は、安定した企業であると同時に、配当成長の実績があり、長期投資に適した選択肢です。
配当金再投資の力を侮るなかれ
配当金をすべて再投資に回すことで、元本を追加しなくても投資効果を飛躍的に高めることができます。
たとえば、初期投資額1万6,000円でNTT株を購入し、毎年配当を再投資するだけで、10年後には配当利回りが16.8%に達するケースもあると考えられます。
2025 | 2026 | 2027 | 2028 | 2029 | 2030 | 2031 | 2032 | 2033 | 2034 | |
保有数 (株) | 100 | 103.6 | 107.7 | 112.6 | 118.3 | 125.0 | 132.9 | 142.4 | 153.8 | 167.6 |
保有額 (円) | 16,000 | 16,572 | 17,237 | 18,013 | 18,923 | 19,996 | 21,267 | 22,785 | 24,609 | 26,819 |
1株配当 (円) | 5.72 | 6.42 | 7.20 | 8.08 | 9.07 | 10.17 | 11.42 | 12.81 | 14.37 | 16.12 |
配当額 (円) | 572 | 665 | 776 | 910 | 1,073 | 1,272 | 1,517 | 1,824 | 2,210 | 2,703 |
この仕組みを活用すれば、同じ年間配当額(240万円)を、わずか1,430万円の投資額で達成することも理論的には可能となります。
株価に翻弄されないメンタルコントロールの重要性
増配株投資の利点は、株価の値動きに一喜一憂せず、安定した収入源としての「配当」に集中できる点にもあります。
価格の上下に惑わされず、企業の配当方針や財務健全性を重視する姿勢は、長期的な投資成功の鍵となります。
まとめ:3つのエンジンで資産を育てる
本書では、投資を成功に導くための「3つのエンジン」として、
- 企業の増配
- 配当金の再投資
- 自己資金による追加投資
この3つをバランスよく活用することが強調されています。特に新NISAの制度を活かせば、非課税枠を最大限利用した効率的な資産形成が可能です。
高配当株だけではなく、将来的な成長も見込める増配株を視野に入れたポートフォリオ構成は、非常に夢があり魅力的です。資産形成を目指す全ての投資家にとって、増配株投資は一考の価値がある手法と言えるでしょう。