株式投資を始める前に、ぜひ知っておきたい「魔法の公式」をご存じでしょうか?この公式は、著名な投資家ジョエル・グリーンブラッド氏によって提唱された投資手法で、過去の検証でも非常に高いパフォーマンスを記録しています。今回は、その概要から実際の運用検証結果まで、初心者でも分かりやすく丁寧に解説していきます。
魔法の公式とは?
魔法の公式は、「高収益かつ割安な銘柄を選んで投資する」ことを目的としたシンプルながら効果的な投資戦略です。この公式は以下の2つの基準をもとに銘柄を選定します。
- 資本収益率(ROIC)や総資産利益率(ROA)などで高収益の企業を評価
- 株価収益率(PER)やEV/EBITで割安な企業を評価
この2つの基準でランキングを行い、その合計順位が高い銘柄を上位から選び、分散投資するという方法です。特定の業種(金融や電力など)は除外するのがポイントです。
なぜこの公式が有効なのか?
公式の根拠は、「良い企業を安く買う」という投資の原則に基づいています。
ジョエル・グリーンブラッド氏は、1988年から2004年の17年間にわたるバックテストにより、魔法の公式によって選んだ銘柄がS&P500などの市場平均を大きく上回るリターンを示したと報告しています。

実際の運用結果と検証
筆者が2020年の日本株を対象に実施した検証では、魔法の公式で選ばれた上位10銘柄の平均リターンは38%となり、同期間の日経平均株価のリターン(19%)を大きく上回りました。さらに別のフィルター(ROA25%以上、PER5倍以上)をかけた方法でも35%のリターンを記録しており、公式の再現性が確認されました。
ただし、全ての年で必ず勝てるわけではなく、市場平均を下回る年も存在します。継続的にこの戦略を守り、分散投資を行うことが成功の鍵です。
投資初心者へのアドバイス
魔法の公式はシンプルながらも非常に有効な投資法ですが、短期的な結果に一喜一憂せず、3年〜5年といった長期スパンで運用する姿勢が求められます。また、資金が限られている場合は、SBI証券などで単元未満株を活用して、少額からでも分散投資を始めることが可能です。
現在の注目銘柄(2023年8月時点)
2023年8月時点で魔法の公式に該当した注目銘柄には、日本郵船、川崎汽船、ダブルスタンダードなどが含まれていました。特にベイカレント・コンサルティングは、過去にも高リターンを記録しており、今回もリスト入りしています。
まとめ
魔法の公式は、「高収益かつ割安」という2つの観点で銘柄を選定し、長期的に安定したリターンを狙う戦略です。短期的な変動に惑わされず、ルールを守って運用を続けることで、優れた投資成果を期待できます。株式投資における一つの有効な武器として、ぜひ活用してみてください。