消えゆくサンタクロース相場

基本的に、テクニカル分析はあまり信用しない方がいいと思っていますが、それを信じて行動している人たちが存在しており、それを理由に実際に売買がなされていることを考えると、知っておいて損はないと思います。

毎年恒例の「サンタクロース相場(サンタクロースラリー)」と呼ばれる季節性のアノマリーがあります。

投資指南書「ストック・トレーダーズ・アルマナック」によると、この期間は年末最後の5営業日と年明け最初の2営業日のこととされています。

ここ10年くらいで見ると、NYダウは、割と勝率が高いですが、日経平均には半々で、特にそのようなアノマリーがあるとはあまり信じられない成績です。

サンタクロース相場の錯覚

12月の前半は、12月前半の相場はタックスロス・セリング(節税対策に伴う売却)の取引もあり、軟調になると言われております。それは、「アノマリー投資」という本の要約動画でもある通りです。

しかし、12月全体としては、個人のボーナスマネーの流入や、プロの資金流入もあり、アノマリー上は堅調になります。

そして、年末から年始にかけて、サンタクロースラリーという流れです。

これに関して。「投資の大原則」によれば、サンタクロースラリーは錯覚だとされています。

このパターンは見つかっても、すぐになくなる。仮に、このパターンがあるとすれば、その利益にあずかろうとして、多くの投資家はクリスマス前に株を買い、大晦日の前日に株を売るようになるだろう…(中略)…こうして、クリスマスよりもかなり前に多くの買いが入り、売りはクリスマス前後になっていく。クリスマス相場は消えてしまうというわけだ。これこそ新たな売買パターンがあったとしても、そのパターンを利用して儲けようと思う人たちがいる限り、長続きはしない。

「投資の大原則」

結論としては、半分迷信程度に、頭に入れておくのが良いかと思います。

私自身も、短期での動きを読むのは、ほぼ運だと思っています。

あくまで長期目線の投資を中心に、テクニカルの知識は、その補助知識程度に持っておき、あまり深入りしすぎないのが良いと思っています。ぜひ、皆さんの考えもお聞かせください。

でも、面白いですよね。大の大人や、ウォール街のメチャクチャ学歴のある頭のいい人たちが、こんな星占いと変わらないような知識を学び、それを参考に仕事をするということが。

それで、「結局外れた、たかがテクニカル分析」と思ったり、「今年はあたったな」と思ったり。それも季節の風物詩みたいに、投資の楽しみの一つなのかもしれません。