株式市場の短期的な動きを予想するのはプロでも難しいことです。
本日は「敗者のゲーム」第4章「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」をご紹介します。
この二人は対照的で、
ミスター・マーケットは、面白く、常に注目の的。
ミスター・バリューは残念ながら無視されることが多いです。
ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」によれば、ミスター・マーケットは精神的に不安定で、感情的な行動をとりがちです。とても気分屋なので、いつ大きく振れるか分かりません。
多くの人の気を惹き、売買をさせようとしていきます。予想外の業績や増配、インフレ、政策などで、投資家たちを翻弄してきます。
ミスターマーケットとともに投資をするのは非常にエキサイティングです。しかし本書では、投資はエキサイティングな物ではないと指摘します。
原油の精製のように、じっくり腰を据えて取り組むべき作業であるといいます。
ポゴという、欧米でよく知られている空想上の哲学者は「敵は一人。己自身だ。」と言ったそうです。これは投資家にとってとても意義深い言葉です。
ミスターマーケットに騙されないためには、自分自身の一時の感情に騙されないためには、自らのリスク許容度の把握、運用目的を常に確認することが必要です。
投資家か避けるべきリスクは、
- 人間らしいミスを避けること
- 現実的な運用目標を設定すること
- その達成のために有効な戦略を策定すること
- その戦略を堅持すること
「投資は己を知ることから始まる」と言われる所以はここにあります。
そして、投資家としての様々な手法で成功する人がいますが、それは、その人それぞれに「冷静を保てる領域」が存在するためです。
夜眠れなくなるようなポジションは取るべきではないし、自分の能力を超える手法に手を出してもいけない。
防御こそが最大の攻撃で、冷静な判断をくだせる範囲内に投資を限定することが大切なのです。